一般に、「平均」 といえば、「算術平均」 (統計学では、相加平均という) を指しますが、その他にも平均には、「加重平均」、「幾何平均」(または、相乗平均)、「調和平均」などがあり、場合に応じて使い分ける必要があります。
(加重平均の例)
ある会社では3種類の弁当を販売しており、1ヵ月の売上数を調査したところ、$500$円のA弁当は $1000$個、$800$円のB弁当は $500$個、$1000$円のC弁当は $100$個であったとすると、弁当1個に使われた平均金額は、
\begin{align*}
\dfrac{500 \times 1000 + 800×500 + 1000×100 }{ 1000+500+100 }= 625 円
\end{align*}として求められます。加重平均は、重みが異なる(度数が異なる)場合の平均 として用いられます。
(幾何平均の例)
消費者物価指数の3年間の伸び率が、$1.031$ , $0.995$ , $0.987$ であったとします。この3年間の1年あたりの平均伸び率は、
\begin{align*}
\sqrt[3]{1.031×0.995×0.987}= 1.004
\end{align*}として求められます。幾何平均は、指数関数的に増減する分布の平均 として用いられます。
(調和平均の例)
片道 $100 \mathrm{km}$ の道のりを、行きは時速 $10 \mathrm{km/h}$ で、帰りは時速 $15 \mathrm{km/h}$ で往復したとすると、往復の平均時速は
\begin{align*}
\dfrac{2}{\dfrac{1}{10}+\dfrac{1}{15}}=12
\end{align*}として求められます。調和平均 は、反比例的に増減する分布の平均 として用いられます。
このように対象とする分布に応じて、平均を使い分ける必要があります。