ある飲食店の店主がある定食Aの満足度調査を行うために、以下のアンケート調査票を作成したとします。
設問 1 定食Aの味はご満足いただけましたか?
満足(5点) ほぼ満足(4点) 普通(3点) やや不満(2点) 不満(1点)
設問 2 定食Aの量はご満足いただけましたか?
満足(5点) ほぼ満足(4点) 普通(3点) やや不満(2点) 不満(1点)
設問 3 定食Aの価格はご満足いただけましたか?
満足(5点) ほぼ満足(4点) 普通(3点) やや不満(2点) 不満(1点)
設問 4 定食Aの提供時間にはご満足いただけましたか?
満足(5点) ほぼ満足(4点) 普通(3点) やや不満(2点) 不満(1点)
設問 5 定食Aの全体的な満足度をご記入ください
満足(5点) ほぼ満足(4点) 普通(3点) やや不満(2点) 不満(1点)
このアンケートでは、 満足度の間隔が「等間隔」 であるということを 前提 にした尺度を用いています。このような尺度は 間隔尺度 と呼ばれています。間隔尺度を用いる場合、重回帰分析を行うことによって、例えば、
\begin{align*}
全体的な満足度 = 0.35\times 設問1+0.23\times設問2+0.30\times設問3+0.15\times設問4
\end{align*}というような結果が得られ、設問1の点数が1点増加するごとに、全体的な満足度は0.35点増加するといった比例関係を見出すことが可能となります。
それでは、以下のようなアンケート調査票の場合はどうでしょうか?
設問 1 定食Aの品数はどのように感じましたか?
十分 普通 やや不十分 不十分
設問 2 定食Aの量はどのように感じましたか?
多い 普通 少ない
設問 3 定食Aの価格はどのように感じましたか?
高い 普通 安い
設問 4 定食Aの提供時間はどのように感じましたか?
早い 普通 遅い
設問 5 定食Aの全体的な満足度を、10点満点で評価してください
10点 9点 8点 7点 6点 5点 4点 3点 2点 1点
これらの質問は、設問5を除き、定性的な感覚を聞いているので 大小関係のみに意味 がある尺度となっており、等間隔ではありません。このような尺度は 順序尺度 と呼ばれます。順序尺度を用いる場合、尺度が等間隔ではありませんので、上述の
\begin{align*}
全体的な満足度 = 0.35\times 設問1+0.23\times設問2+0.30\times設問3+0.15\times設問4
\end{align*}というような比例関係の結果を導くことはできません。では、順序尺度の場合どのように分析したらいいのでしょうか?次回、順序尺度を用いた重回帰分析の解き方について解説致します。